【戯曲『水分-みくまり』について】

【水分-みくまり】とは
水分神(みくまりのかみ)。
「水配り」の意より、水源地や水路の分水点などに祀られる。
祈雨から豊作・豊穣の対象とされ、田の神や山の神とも結びついた。
転じて「みごもり」。子授け・子育ての神としても信仰される。

『水分-みくまり』は、
2011年に花道家・片桐功敦が司田に対し、長年胸に秘めていた「花を使った舞台美術のビジョン」を語るところからスタートしました。

「おびただしい量の赤い花びらが音もなく和室に降りつづける。そんな芝居を作ってみないか」

その目くるめく幻想のイメージに一気に触発された司田も、
「厳寒の大地に生きた一人の男の半生を、生まれ得なかった水子が語る」という劇構造を提案する形で応えます。
喧騒に満ちた下北沢の薄暗い居酒屋の片隅で、二人は互いの内に広がった炎に油を注ぐかのように次々に言葉を交わし続けました。

花と水。和室。一人芝居。
父と息子。ゴーストストーリー。無幻能形式。
雪原での鹿の解体。生き物の生と死。荘厳な自然。

その時点で、『水分』の要素はほぼすべて揃っていました。


(※上記内容はあくまで初演時の演出のものです。今回は全面的に改稿が行われ、必ずしも上記内容とは一致しない部分がございます)

ここでは、2014年4月の上演に先駆け、
上演台本の冒頭3ページを公開いたします。
下記アイコンよりダウンロードしてお楽しみください。
戯曲は上演当日、会場にて販売される予定になっております。

(※ネタバレを含みます。先入観なく上演をお楽しみになりたい方はご注意ください。)
↓↓↓