【劇中の音楽について】

寺田英一(てらだえいいち)

音楽家。

近年、砂の上の企画の公演はすべて寺田英一の紡ぎだす楽曲に彩られている。

音楽劇『十-じゆう』での、リピートを多用しながらも音色豊かに目まぐるしく展開する10分間の交響曲LinkIcon
『い◎り』ではオープンリールを使った劇中内録音とその再生音を組み合わせたカタストロフを。
『おこめ』では昭和歌謡曲を大胆にアレンジした生バンド演奏と、俳優自身が様々なモノを叩き・擦り・奏で・響かせる「ミュージック・コンクレート」という手法の融合によって生み出された突き抜けるようなカタルシス。

『水分』初演時には純日本家屋の家そのものを鳴らすという斬新なアプローチで、
スピーカーはどこにも見当たらないのにあらゆる場所から音が聞こえるという他では得がたい音響体験を提供した。

俳優も舌を巻く深い戯曲の読解と、楽器やジャンルを選ばないレンジの広さ、そして見る者を釘付けにする圧巻の演奏パフォーマンス。
それらに裏づけされた類まれなる珠玉の楽曲群たちの中から、
ここでは、『水分』初演時に作曲、特に強烈な印象を残した2曲をお楽しみ頂きたい。

そして、今回の『水分』再演では、いかなる寺田ワールドが繰り広げられるのか、
大いにご期待ください。

(※↓大きな音声が流れます。音量にご注意ください)